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Those Who Wish Me Dead モンタナの目撃者

アメリカ映画 (2021)

私は、この映画が結構気に入ったので、満点を付けたChicago Sun-Timesの姿勢には賛同するものの、最低点を付けたThe Washington Postの、如何にも気取った姿勢には軽蔑すら覚える。映画は、娯楽なのであって、観ていて引き込まれていくようならよくできているし、評価は高いが、『ベルファスト』(2021)にように、観ていて何の感動も受けなかった映画には嫌悪感すら覚えるし(貴重な時間を無駄にした)、このサイトでの紹介はあり得ない。この映画には、監督によれば、3つの物語が含まれている。1つ目は、地方検事を爆死させたほどの “汚職がバレることを阻止しようとする暴力行為” に対するサバイバル、2つ目は、この映画の主役の1人である12歳のコナーの不安と勇気、3つ目はもう一人の主役、森林消防隊員のハンナの贖罪である。1つ目のターゲットはコナーの父で、コナーもその対象となる。そして、ハンナの贖罪はコナーを救うこと。だから、この映画の真の主役はコナーなのだが、どの評を見ても、ハンナ役のアンジェリーナ・ジョリーと、森林火災のシーンの凄さだけが話題となり、コナーが忘れられている。このサイトは、映画の中の少年を対象にしたものなので、『Storm Boy(ストーム・ボーイ/少年とペリカン)』で見せたフィン・リトルの心理的名演の再現が堪能できることを、まず述べておきたい。オーストラリアの子役を、わざわざアメリカ映画の主役に抜擢しただけのことはある。

この映画の特質すべき特徴は、山火事シーンの凄さ。最近の温暖化に伴いアメリカでは山火事が多発しているが、その恐怖が肌で感じられるほど、CGは良くできている。ただ、コナーの親父を、これほどしつこく追い詰めるほどの重大な秘密が存在するとは信じられない点が、弱点と言えば弱点。1年前の消火作業の指揮でやむを得ない損失を被った森林消防隊員のハンナの贖罪意識が、コナーを必死に助けようとする動機はよく理解できるし、それを受けたコナーの意識の変化も納得できる。2つの目の弱点は、この映画の原作ではもっと重視されている保安官の存在。映画では、存在が軽くなり、かつ、その無能に近い弱さがストーリーの邪魔になっている。映画の日本語タイトルには、モンタナという州名が入っていて、映画の舞台も、カナダに接したモンタナ州なのだが、映画の撮影が行われたのは、何とメキシコに接したニューメキシコ州。片や針葉樹林、片や広葉樹林。メイキングを観ると、山火事を再現するのに、砂漠に300エーカー〔1.2㎢〕の人工林を作り(下の写真)、そこに、持ち込んだ針葉樹は、枯れているか、病気か、伐採予定のもので、環境には配慮したと語られている。また、何度も登場する山火事監視塔は、高さ60フィート〔18m〕の設定だが、砂漠に建てたのは半分の30フィートの高さの塔(監視建屋がない)だけで、監視建屋は、地表近くに別に造ったとも。かなり大規模な撮影のように思えるが、予算は僅か2000万ドル〔少し前に紹介した『アダム&アダム』が1億1600万ドル〕

映画の冒頭、森林消防隊員のハンナの贖罪意識の原点となった、“山火事制御の失敗” で “3人の男の子をむざむざ焼死させた” シーンが、ハンナの悪夢という形で紹介される。そして、次は、フロリダ州の地方検事の家が爆破されるシーン。そして、それを見たコナーの父が、コナーを学校に送って行こうとして気を変え、義弟のいるモンタナめがけて逃げ出すシーン。冒頭の失敗の1年後の、“自暴自棄的に荒んだハンナ” を紹介するシーン。これらが順に紹介される。ここから先は、殺人犯、コナー親子、ハンナ、ハンナの元カレでコナーの叔父イーサンとその妻のシーンが交互に続いて行く。①殺人犯がコナーの家に行き、逃げたことを知り、見つけた写真からモンタナに向かう、②コナーが父から、検事の死の理由を教えられる、③イーサンのところにコナーの父から電話が入る、④消火ミスで降格されたハンナが監視塔に行く、⑤コナーの父が、マスコミに公表する資料を作り、コナーに説明する、⑥ジェット機でモンタナに先回りした殺人犯が、道路でコナーの父の車を待ち構え、機関銃を乱射して崖から落とすが、瀕死の重傷を負いながら 父はコナーに資料を渡して逃がし、自分は犠牲になって車をさらに転落させる、⑦親子が死んだと思った殺人犯は引き上げるが、ボスの命令でコナーを殺して資料を回収するため、もう一度、現地に戻る。⑧逃げたコナーは途中でハンナに会い、監視塔に行くが、落雷で無線が使えないので、すぐに塔を出る。⑨殺人犯は、事態を混乱させるために、山火事を発生させ、その後、イーサンの家に行き、彼を拘束して、コナーの跡を追わせる、⑩ハンナとコナーは逃げる途中で、殺人犯の起こした山火事が巨大化したのを見て塔に引き返す。⑪その塔に、イーサンと殺人犯が来て、イーサンは偵察に行かされる。⑫塔にいたハンナとコナーは逃げ出し、それを殺人犯の1人が追う。ここから先、話は、ハンナとコナー、殺人犯、猛威を振るう山火事の3者が中心となり、状況は緊迫度を増す。贖罪意識から、自分が犠牲となって、コナーを逃がそうとするハンナ、父も母も亡くし、ハンナを慕い、ハンナの命令に背いて彼女を救おうとするコナー、血も涙もない殺人犯との3人が、襲いかかる炎を前に争う様は、実に迫力と感動がある。残念なのは、事件後にコナーがどうなったのかが分からないこと。このままでは、あまりに可哀想だ。

コナー役で名女優アンジェリーナ・ジョリーと共演したフィン・リトル(Finn Little)は、2006年6月9日、オーストラリアのブリスベーン生まれ。この映画の撮影は2019年5月-7月に行われたので、撮影時12-13歳。彼が、最初に本格的な映画に出演したのは、2019年5月にこのサイトで紹介したオーストラリア映画『Storm Boy(ストーム・ボーイ/少年とペリカン)』(2019)。ここでは、アカデミー主演男優賞の名優ジェフリー・ラッシュと共演している(オーストラリア映画『Angel of Mine(アンストッパブル)』(2019)では脇役)。

あらすじ

アメリカ北西部、カナダ国境に接したモンタナ州の森林で激しい火災が起きている。森林消防隊員に向かって、「防火帯を維持しろ! 尾根までずっとだ!」との指示が飛び、延焼を防ぐための伐採を隊員が必死に行っている。すると、突然、風向きが変わり(1枚目の写真)、未完成の防火帯に向かって火が襲いかかり、伐採隊員たちが危険に曝される。全員が荷物を投げ出して逃げ出すが、中には焼け倒れた木に当たって、全身に火が燃え移る隊員も出てしまう(2枚目の写真)。燃え盛る森の中に乗り残された3人の子供たちが、「助けて!」と頼むが(3枚目の写真、矢印)、もう手遅れだ。ここで、生涯最悪の体験の悪夢が終わり、女性隊員のハンナが目を覚ます。

ここで、場面は “直近の過去” から現在に変わり、場所も南東端のフロリダ州フォート・ローダデール〔マイアミ市街地の北部〕に変わる。早朝、閑静な住宅街にある一軒の家に、消防署のバッジを付けたネクタイ姿の男(ジャック)と、フロリダ・ガスの男(パトリック)が訪れ、玄関に出てきた奥さんに、ガス本管から宅内配管の場所でガス漏れの警報があったと話す(1枚目の写真)。そして、「ご主人は?」と尋ねる。「シャワー中です。避難した方が?」。「いいえ。コンピューターのエラーの可能性もありますが、安全を確認する必要がありますので。入ってもよろしいですか?」。女性は、すぐにOKする〔①ガス会社がガス漏れをコンピューターで管理していることはあり得ない。②万一漏れていても、本管から宅内配管の場所は建物の外部にあるので室内に入る必要がない(USAのサイトで確認)ので、疑ってしかるべきなのだが、如何にもそれらしい服装の2人を見た女性は、疑わない〕。しばらくすると、2人は玄関から出て来て、足早に家から離れる。ジャックがパトリックに、「ジャクソンビルまでは、どのくらいあるか?」と訊く〔ジャクソンビルは、フォート・ローダデールの約480キロ北北西にある〕。「渋滞があるだろう。6時間かな」。「もっとだろう。シャツに血が付いてるぞ。着替えないとな」。「寄り道したくない。30分でニュースになるぞ。奴に常識があれば、すぐに逃げ出すに違いない」。「なあに、決断するのに1日、計画を練るのに1日かかるさ」。2人は車に乗り、動き出すとすぐ、邸宅が爆発で吹き飛ぶ(2枚目の写真)。

そして、場面はジャクソンビルへ。家の中で父が朝食を作り、息子(コナー)に、「おい、相棒、遅れちまうぞ」と声をかける。コナーは、階段を駆け下りてくると、スマホを手に持ちながら、「obtuse(鈍感)」ってどういう意味?」と訊く。「イライラするくらい人の気持ちが分からないってことかな」。コナーは、スマホの画面を見ながら、「女の子に、鈍感って言われたことある?」と訊く(1枚目の写真)。父は、「お前の母さんだけだ」と言いながら、出来上がった朝食をコナーの前に置く。「パパが?」。「それ(obtuse)には、理解するのに時間がかかる、という意味もある。私の場合はそっちだと思う」。そう言うと、父は、「ガールフレンドには謝って、もっと積極的に行動しろ」。「パパから デートの助言は受けないよ」(2枚目の写真)。その時、TVが 今朝のトップニュースを伝える。「フォート・ローダデールにあるトマス・ベルディード地方検事の家の惨状です。検事とその家族は、消防当局によればガス管の爆発で死亡した模様です。フォート・ローダデールの警察署長は、消防当局と緊密に協力して、地域で最も敬愛された公職者の一人とその家族を襲った悲劇の 徹底的な原因究明を行うと述べています」(3枚目の写真)。それをじっと見ていた父の顔は蒼白になり、コナーが、「パパ、大丈夫?」と心配しても、「遅れるぞ」と言っただけ。父は、車でコナーを学校まで送って行くが、学校に次から次に子供を送り届ける車にビクビクし、どうするか迷った挙句、急に、学校から出て行く。びっくりしたコナーが、「パパ、何してるの?」と訊くと、「ズル休みだ〔play hooky〕」と言われる。「ズル休みなんかイヤだ。8時から化学の試験がある」。「ズル休みだ」。そう言うと、父は、危険な割り込みをして道路に戻る。コナーがスマホで連絡しようとすると、「メールは止めろ。電話もだ」と言って、スマホを取り上げる。「ヤバいことになってるの? パパ、何したの?」、「正しいことをした」。「正しいことをしたなら、なぜ、そんなに怯えるの?」(4枚目の写真)。

場面は変わり、「ビタールート〔モンタナの州花〕・森林消防パラシュート降下隊」のシンボル・マークの下で、隊長が新入りの隊員達を前に訓辞を垂れている。その外側では、映画の最初に一瞬出て来たハンナを含む数人のベテラン隊員達が 屋外テーブルの上に乗って酒盛り。そこに、保安官のバッジを胸に付けたイーサンが寄って来て、ハンナに、「なぜ、君が山火事監視塔に行かされるんだ?」と訊く。ハンナは、自嘲気味に、「運がいいからじゃないかな」と答え、それを聞いた仲間から、「奴らがクソだからだ」。「阿呆どもだ」。「クソッタレだ」という同情の声が上がる。イーサン:「どの塔だ?」。「217番。あんたの家のそば。バーベキューは控え目に。でないと、パラシュート降下隊を呼ぶわよ」。その冗談にイーサンは、すぐに反応し、「みんな聞いてくれ、パラシュートで(車から)飛び降りるなよ」と警告する。その警告の矛先でもあるハンナは、「私は、年取ったから」とニコニコしながら否定する。そして、その言葉が冷めないうちに(もちろん、イーサンはいない)、森林消防パラシュートを背中に背負ったハンナは、ピックアップトラックの荷台に捉まって出発(1枚目の写真)。そして、森の中を突っ走るトラックの上で、風圧でパラシュートを開くと、そのまま空中に “吹き飛ばされる” ように上がる。しかし、せいぜい両側の木ほどの高さにしか上がらず(2枚目の写真)、そのまま道路の斜面下に落下。それを待ち構えていたように、パトカーが到着。ハンナは、イーサンによって手錠を掛けられ、後部の囚人室に入れられる。イーサンは、ハンナを途中で降ろすと、手錠を外しながら、「要するにだ、面白半分でやったんじゃないことは、お互いに知ってる。ましてや事故なんかじゃないこともな」と言うと(3枚目の写真)、「いいか、俺は君が何をしようとしてるか知ってる。他の阿保どもには分からんだろうが、俺にはちゃんと分かる。いいか、山火事監視塔にひと夏いるのは、君にとっていいことだ」と、元カレとしてアドバイスし、ブチ込まずに釈放する。

殺し屋のジャックとパトリックは、ジャクソンビルにある “コナーの父” の家に 銃を構えながら忍び込む。探し回った結果は… ジャック:「奴ら、何一つ持ち出してないようだ」。パトリック:「歯ブラシが、洗面に置きっ放しだ」(5枚目の写真)。そこで、2人が、“取る物も取り敢えず” 逃げ出したらしいことが分かる。そこで、何かつかめないか、ジャックはパソコンを調べる。その結果、口座から1万ドルが引き出されたことをつかむ。「身を隠す〔go dark〕気だ。行きそうなダチか親戚を見つけないと」。それを聞いたパトリックは壁に貼ってあるたくさんの写真をチェックし、親子が「Soda Butteサバイバル学校」に参加した時の写真に注目する〔因みに、Soda Butteクリークの最上流部は、モンタナ州の最南端にあるCooke Cityを流れ、その近くにはSoda Butteキャンプグラウンドもある〕。パトリックは写真の額を外し、ジャックに見せる(2枚目の写真)。

モンタナに向かって高速道路を走る父は、コナーに、「お前は、私の仕事が何か知ってるよな?」と訊く。「会計士でしょ? とにかく、僕はそう思ってた」(1枚目の写真)。「私はフォレンジック会計士〔不適切な会計処理を捜査する会計士〕、つまり、計算の合わないものを調査するんだ。そして、見つけた。その件で私を雇った人は、私が見つけた物のせいで、今朝殺された。そして、見つけた私がまだ残っている。ということは、奴らは私を… 私を追って来る」。コナー:「警察に行かなくちゃ」(2枚目の写真)。父:「無駄だ。地方検事は24時間警察の保護下にあった。今朝、彼らはどこにいたんだ? この事件には、失う物の多い連中が大勢関与してるんだ。知事、下院議員… 私たちは、知ってる人しか信用できん。分かるかい?」。「うん」(3枚目の写真)。

ここで、場面は、またモンタナに。保安官のイーサンが、Soda Butteサバイバル学校の中にある自分の住居にパトカーで帰ってくる。出迎えたのは、妊娠中後期でお腹の膨らんだ奥さんのアリソン(1枚目の写真)。アリソンは耳が早く、「“スター〔hotshot〕” と言い争ったって聞いたわ」と声をかける。「彼女は、今、妄想に打ちのめされてる〔letting her demons run the show〕。言いたいことは分かるだろ?」。「あまり厳しくしなかったわよね?」。「少し厳し過ぎたかも。だが、知ってるかな? 彼女はクソッタレなんだ。仕方ないだろ」。「彼女は、自分に厳しい女(ひと)だから、あなたの助けなんか要らないわ」。「俺が元カノとどう話したか、奥さんと議論するとはな」。夜になり、2人は、ベッドの中で、お腹の赤ちゃんが蹴ったのを感じるか、感じないかでまた議論になる。その時、電話がかかってくる。電話は、オーウェン(コナーの父)から。電話を取ったアリソンに、「イーサンと話せるか? 深刻な問題が起きた」と、運転中の車内から話す。電話を替わったイーサンに、「やあ、イーサン、調子が悪くてな」と、曖昧に言う(2枚目の写真)。「どうしたんだ?」。

ここで、場面は翌日の朝に。ハンナがリュックを背負い、伐採用の斧を持って渓流〔Soda Butteクリークの最上流部?〕沿いに歩き、受け持たされることになった山火事監視塔に向かって歩いている。そして、塔の全景が映る(1枚目の写真)。ハンナは、塔に着くと、斧を捨て、鉄梯子を両手でつかんで登り、てっぺんにある監視室まで辿り着く。与えられた鍵でドアを開け、殺風景な室内に入る。そして、無線機の前のイスに座り込む(2枚目の写真)。前回の山火事の際の判断ミスの責任を全部負わされて降格され、こんな辺鄙な場所に1人で過ごすことになり、半分は魂が抜け、半分は自暴自棄になっている。

同じ朝、コナーの父は、泊ったモーテルのベッドに座り、厚い本を台にして、紙に何か書いている。コナーが目を覚ますと、父は 「やあ、相棒」と声をかける。コナーは、「何 書いてるの?」と訊く。「お前宛だ。秘密のすべてを。だが、お前には読んでほしくない… 見ることすらな」(1枚目の写真)。そして、振り向いてコナーに、「約束だぞ」と言う。「僕は、いったいどうしたらいいの?」。父は立ち上がるとコナーの横に座り、「お前が信頼できる思った人に渡すんだ」。「いつ?」。まさか、“私が殺されたら” とは言えないので、「運がよければ、渡さなくていい…」と誤魔化す。その言葉に、コナーの顔が曇る(2枚目の写真)。「こんなことになって、悪かった」。「正しいことをした… そうでしょ?」(3枚目の写真)。「そうだ。だが、ごめんな」。

その頃、モンタナ州の飛行場には、ジャックとパトリックを乗せたプライベート・ジェットが着いていた。迎えの2人は、ジャックとパトリック用に、ピックアップトラックと乗用車を各1台用意して待っている(1枚目の写真)。2人が選んだのはピックアップトラック。そして、オーウェンとコナーを途中で待ち受けて殺害すべく、Soda Butteクリークに向かう道へと車を飛ばす。一方、イーサンは年上の保安官にオーウェンのことで相談しようとする。その時、なぜオーウェンがイーサンを信じて電話をかけたかが分かる。「彼は、俺の姉と結婚した。ガキは、俺の甥だ」(2枚目の写真)。老保安官は、連邦保安局かFBIに相談すべきだと言い、イーサンは、「俺もそう言ったが、彼は、俺がTV局に電話して、ここにニュース班を寄こして欲しいそうだ」と、オーウェンの希望を話す。しかし、耄碌して、頭が固くて、大事(おおごと)になるのを嫌うバカな老人は、「TV局の奴らなんか呼ぶな。わしが、その男と会う」と反対する。オーウェンは、この意見に賛成してしまう〔オーウェンは、知事や下院議員の関与についてイーサンに話したのだろうか? もし、話していたら、イーサンは、老保安官の自己保身的な対応に強く反対しなかったことで、義兄を裏切ったことになる。もし、話していたいのなら、オーウェンが義弟を100%信じていないことになる〕

翌日、コナーの父は、息子のためにトイレ休憩(1枚目の写真)。野宿はできないので昨夜はモーテルに泊まったが、あとはなるべく人目を避ける行動を取っている。用が済んだコナーは、道路の両側に延々と伸びている鉄条網に止まっているバッタのような昆虫を両手で優しく包み込むように捕まえ、手のひらの上に乗せて可愛がる。すると、その向こうに1頭の馬がいるのが見えたので、破れた鉄条網をくぐって牧場の中に入り、虫を地面に置くと、馬に近寄って行く。それに気付いた父が、心配して離れるように言うが、コナーは優しく馬の顔を撫で続ける。「大丈夫だよ、パパ。いい子だ」。「もう、行かないと。お出で」(2枚目の写真)。コナーは、せっかく友達になった馬と別れるのが辛そうだ。監督は、この場面について、「コナーと聴衆の双方が、これまでコナーの人生を支配してきたルールが必ずしも適用されない場所に 親子が入ったことに気付く最初の機会」と述べている。

山火事監視塔では、無線のスイッチを入れたハンナが、「監視塔のリンクス、どうぞ」と言う。「了解、リンクス、煙が見えるのか?」。「雷雲と、時速30マイル〔13m/秒〕の風。嵐による雨の予報は?」。「リンクス、煙が見えないんなら、この周波数を使うな。お楽しみの回線じゃないんだ」。「了解」。スイッチを切ると、ハンナは、「バカ」と相手を罵る。そして、頭の中を、映画の冒頭の “鎮火失敗” シーンが過ぎる。その時、ハンナは、現場の指揮官だった(1枚目の写真)。ハンナの心の傷は大きく、その失敗が悔やまれてならない。その時、イーサンから無線が入る。イーサンは、ハンナから聞いた先ほどの無線での応対について、「あのクソガキめ。本部で調子に乗りやがって」と批判した上で、「耐えられるか?」と心配する。「竹馬の上の、20×20〔6m四方〕のトイレもない箱の中にいるわ」LibbyMT.com によれば、ほとんどの塔には、電気や水道がなく、中にあるのはテーブル、椅子、薪ストーブ、寝台(寝具なし)。Firelookout.org によれば、サイズリストには8×8、10×10、12×12、14×14、15×15しかなく、20×20にように大きなものはなかった〕。ハンナは 「あとで、衛星電話で連絡する」と言って無線を切る。ハンナは、塔を降り、崖の端に座ると、衛星電話でイーサンに電話する。その会話の中で分かることは、鎮火失敗の僅か3日後にハンナの心理学鑑定が行われ、結果として落第し、山火事監視塔勤務に降格されたこと。イーサンは、「林野局の責任転嫁」だと断じ、ハンナを慰めようとするが、彼女は、自分が怖くて助けに行けなかった3人の男の子に責任を感じている。イーサンが、「(助けに行ってたら)君も死んでたぞ」と言っても、「それが仕事よ」と言いながら、後悔の涙を拭う(2枚目の写真)。最後に、ハンナは、正面に見える雷雲について、「ドップラー〔気象ドップラーレーダー〕で見える?」と尋ねる。「ああ、北に行くだろう」。「北には行かないわ」。

コナーの父が運転する紺色のフォルクスワーゲン・ジェッタ・スポーツワゴンが、Soda Butteクリークに向かって走る姿が、雄大な遠景の中に映される(1枚目の写真、矢印)。この時、父は、コナーに、「ルイスとクラークが これを見てどう思ったか想像できるか?」と訊く。「2人は、ここに来たの?」。「この道が、ルイスとクラークの通った道だ。それを舗装した」。「僕、ここ気に入った。広いのがいい」(2枚目の写真)。フランス領のルイジアナの広大な土地を、1803年にナポレオンから買い取り、アメリカの領土は一気に倍に広がったが、それがどのような土地なのかを調べるため、ジェファーソン大統領によって派遣された探検隊がルイスとクラーク。2人が通った道を、3枚目に示す(https://www.nps.gov/lecl/planyourvisit/maps.htm)。2人が向かっているSoda Butteクリークは、赤い印の所にある。もし、この発言が正しいとすれば、この車のいる場所が、2枚目の地図の右下隅のサウス・ダコタ州の最南東隅にいる時のみ。確かに、そこから西に伸びてモンタナ州に向かう道はあるが、目的地まで1000キロを超える。映画では、すぐにモンタナ州に着くので、そんなことはあり得ない〔つまり、発言は間違い〕

雷雲は次第に山火事監視塔に近づき、ハンナの予想より早く近くに落雷する。塔は丘の頂上に建っているので、落雷に対しては危険この上もない。実際、無線のアンテナが電気を帯びて光り始めたので、ハンナは走って、緊急降下用のロープに跳び付いて脱出を図るが、その時、塔に落雷(1枚目の写真)。そのショックで、ハンナは思わず手を放し、地上まで落下して気を失う(2枚目の写真)WhiteBlaze.net によれば、落雷の危険性がある場合には、すべてのプラグを抜き、速やかに塔を離れろと書かれている。2019年にはイエローストーン国立公園内にある1931年建造の山火事監視塔は落雷で跡形もなく焼け落ちた(https://www.greatfallstribune.com/)〕

コナーと父の車がモンタナ州に入り、森の中を走っていると、前方に車が停車し、1人の男が車の脇で作業をしている(1枚目の写真、矢印は男)。親切なコナーは、「助けてあげる?」と訊く。「問題外だ」。車が近づくと、作業しているフリをしていたジャックが機関銃を取ると、車に向かって撃ち始める(2枚目の写真)。父は、「屈(かが)め!!」と息子に叫ぶ。1発が父の左肩に当る。崖の上からは、パトリックが機関銃を撃ちまくり、父のフォルクスワーゲンは、殺人犯のフォード F-150にぶつかって(3枚目の写真)、ジャックを撥ね飛ばす〔足を少し引きずるような軽傷→映画では、悪者は簡単には死なない〕

パトリックの機関銃で運転席側のガラスが粉々になる(1枚目の写真)〔車の向きから、助手席側から銃弾が飛び込んだとしか考えられない〕。ぶつかったショックと、父の左肩にさらに銃弾が当たったことあり、ハンドルが左に切れて、車はガードレールを突き破り(2枚目の写真)、そのまま崖下に滑走して行き、堆積した落石にぶつかって大破する(3枚目の写真)。

傷を負いながらも、父は、コナーに、「右に倒れた木がある。その下に隠れろ」と、指示する(1枚目の写真)。そして、「何を見ようと、音を立てるな。渓流は川に、川は町につながる。TV局を呼び、これを渡せ」と言うと、モーテルで書いた紙と、何かの記録媒体(?)らしき物を渡す(2枚目の写真、矢印)。コナーは、「パパと一緒にいたい」と言うが、父は、「愛してるぞ」と言い、息子の頬を血まみれの手で触ると(3枚目の写真)、「行け!」とドアを開ける。そして、コナーを外に押し出すと(4枚目の写真)、必死の思いでドアを閉める。コナーは言われた通り、走って木の下に隠れる。しばらくすると、悪漢2人が道路際に立って下を見降ろすのが見える。

それを、バックミラーで見た父は、アクセルを思い切り踏み込む。上にいた殺人鬼は、「動いたぞ」。「あのクソ野郎、死なんのか?」と言い、2人で機関銃を乱射する(1枚目の写真)。その弾は、父の胸を貫くが(2枚目の写真、矢印)、一旦動き出した車は、そのまま谷底まで走って行くと、渓流の上で一回転し(3枚目の写真)、その先の野原に転がって行く。

惨劇を木の下で見ていたコナーは、悲嘆にくれるが(1枚目の写真)、父との約束があるので、そこから見えないように逃げ出し、渓流まで下りると、流れに沿って走り始める(2枚目の写真、矢印)。

一方、崖の上では、女性の運転する1台のピックアップトラックが通りがかり、壊れたガードレールのところに2人の男がいるのを見て停車すると、「大丈夫? 誰かが落ちたの?」と訊く。ジャックは、「いいえ、奥さん、大丈夫。問題ありません」と言うが早いか、拳銃を取り出して女性の額を撃ち抜く(1枚目の写真、矢印は弾痕)。ジャックは 女性を助手席に転がすと、車に乗り込んで 道路際に寄せる。そして、パトリックがすぐに乗りつけた車の助手席に乗り込むと、2人はすぐに二重殺人現場を立ち去る。しばらくして、パトカーを運転したイーサンが現場に通りがかる。その直前まで彼は、携帯で妻のアリソンと話していた。「2人は着いたか?」。「いいえ、まだ。あなた、もうすぐ帰る?」。「ああ、あと5分だ」〔つまり、コナー達は、Soda Butteサバイバル学校のすぐ近くまで辿り着いていた〕。イーサンは、脇に停まった車の横で パトカーを止めると、電話を切り、運転席から車内の惨状を見る(2枚目の写真)。そして、ガードレールが一部なくなっているのに気付き、見下ろすと、遥か下に1台の車が転落している(3枚目の写真、矢印)。すると2人の殺人鬼の逃走車の中で、警察無線が流れ始める。「全車、コード3〔緊急/サイレンを鳴らして〕で マイルマーカー22に急行」。パトリック:「早いな」。ジャック:「後手に回ったからだ」。「2人死亡。40代半ばの白人男性と、30代前半の白人女性」。「ガキがいないぞ。あいつら、道から見下ろしているから、ガキが見えないのかな?」〔年齢をはっきり言っているので、見下ろしているだけのハズがない〕。ジャックは、かかってきた携帯に出ていて、それどころではない。「はい。どこですか? はい、向かいます」。それは、ジャックのボスからの電話。ジャックは何を叱られるか心配で、車の中で当たり散らす。

塔から落ちたハンナが、渓流まで行き、手に刺さった物をナイフで取っている。またしても、火の中に残してきた3人の子供達のことが頭に浮かび、涙が止まらない。そんな彼女が、ふと顔を上げると、遠くの方に1人の少年(コナー)が見える(1枚目の写真、矢印)。コナーは、見つかったと分かると、すぐに逃げ出す。それを見たハンナは、「ちょっと、待って!」と、コナーを追いかける〔3人の子供達のことが頭にあるので〕。そして、後ろから捕まえると 「もう… 静かになさい!」と言うが(2枚目の写真)、また逃げ出す。つまづいて転んだところを押さえ(2枚目の写真)、「いいこと、何もしないから、静かにして」と呼びかけながら、顔に付いた血〔父に頬を触られた時に付いた〕を見て、「この血、どうしたの?」と心配する。「僕の血じゃない」。「じゃあ、誰の血?」。そんな悲しいことをコナーが見知らぬ人に話すハズがない。ハンナは、「私はハンナ。あなたは?」と訊く。「消えろ〔Fuck you〕!」。そんな F語に対しても、ハンナは、「私は森林局で働いてる。助けてあげられるわ。話して、手伝うから」と言うが、コナーは手を振り払う。ハンナは、「分かった。頑張って」と言い、「町は12マイル〔19キロ〕先。分水嶺の向こう〔父は、「渓流は川に、川は町に」と全く逆を指示していた〕。楽しんで」と 他人事のように教えると、さっさと帰り始める。それを見たコナーは、相手に悪気がないと悟り、「待って」と声をかける。振り向いたハンナは、「塔に無線機がある… 向こうよ」と、指差す。「保安官だって呼べる」。「保安官じゃダメだ。報道じゃないと」(3枚目の写真)。コナーは、望み通りにすると言われ、一緒に行くことに。

一方、ジャックはトラック・ターミナルのような場所で車を降りると、ボスを刺激しないよう、かなりの距離を歩き、境界の有刺鉄線の杭に寄りかかっているボスの横まで行く。「足をひきずってどうした?」〔車に跳ね飛ばされた時の怪我〕。「何でもありません」。「ガキを逃したな」(1枚目の写真)。「そうは、思えません」。「俺たちは、絶対を約束した。『思えない』は絶対じゃない」。ボスはさらに、「あの男〔コナーの父〕は、ここまで来るほど機転が利いた。だから、俺たちが地方検事の部屋から回収した物全てのコピーを持っている可能性は高い。そのコピーを、ガキが持っているかもしれん。最悪のシナリオを考えろ。大失態を想定し、それに応じた行動を取れ」と命じる。「リスクがあり過ぎます」。「承知している。取り返しがつかなくなるまで、恐らく、6時間はあるだろう」。「もっとあります。でも、彼らにその気があるのですか?」。「俺が話をつける。これはゼロサムゲームだ。その覚悟でやれ」〔検事の資料がマスコミに流れることで、依頼主が受ける損失の莫大さを例えている〕。パトリックのところに戻ったジャックは、モンタナ州に戻る。そして、オーウェンとイーサンが義兄弟であることから、ここに突破口を見い出そうと 話し合う。そして、これから自分達が行う行為から他人の気を逸らすという目的だけのために、“火吹き棒” を森に向かって何本も投げ、人為的に森林火災を起こす(2枚目の写真、矢印)。パトカーを運転中のイーサンが、アリソンに、「コナーがどこにもいない」と携帯で話す。「探してるの?」。「ああ、捜索隊を組織して…」。ここで、イーサンは思わず急ブレーキをかける。大規模な森林火災が山の向こうで起きているのを発見したからだ。

夕方になり、ハンナとコナーは、山火事監視塔に辿り着く。しかし、どの機械も落雷のせいで壊れてしまっていて動かない。コナーは自分のスマホで連絡しようとするが、電波が入らない(1枚目の写真)。寒くなってきたので、ハンナは原始的なストーブに薪を入れる。ハンナは、コナーに 「お腹空いた?」と訊く。コナーは、それどころではないので、「ううん」と小声で言っただけ。ハンナは、「何か食べないと」と言って、キャンディーの入った袋を渡す。そして、怪我をした自分の手をオキシフルで消毒しながら、現状を説明する。「塔に雷が落ち、すべてぶっ壊れた。だから、連絡できない〔イーサンと話していた携帯式の衛星電話はどうなった?〕。保安官や誰にも… 町まで歩いて行かないと。だから、知りたいの。今夜にするか、朝まで待つか」。コナーは暗い顔のまま返事もしない。「困ったことになってるの?」。「うん」。「そうなの? 他に困ってる人は? 捜して欲しい人は?」。コナーは 「もう、いないんだ」と言って涙を流す。涙は止まらない。そして、遂に決心したコナーは、「パパは言ったんだ。もし、パパに何か起きたら、信頼できる人を探せって」と、ハンナに言う。「パパに、何か起きたの?」。「あなたは、『信頼できる人』?」(2枚目の写真、右の目に涙)。「私は、あなたが完全に『信頼できる人』よ」。それを聞いたコナーは、ポケットから父の手紙を取り出してハンナに渡す。それを読んだハンナは、事の重大性に驚く(3枚目の写真)。そして、「どこで襲われたの?」と訊く。「道路で。僕の木の下に隠れた。それから、渓流に沿って走った。渓流は川に、川は町につながるから」。ハンナは、手紙をコナーに返す。そして、コナーが、「今夜、出発する?」と訊くと、事の重大性に鑑み、「今すぐ、出発よ」と言う。その間、森林火災は猛威を振るい始めるが、塔からは見えないので、ハンナはそちらの方の深刻さには気付かない〔この部分の写真は、かなり増感処理がしてある〕

ジャックとパトリックは、イーサンの家に車で乗り付ける。音を聞いてアリソンが家の外に迎えに行くと、FBIのバッジを付けた2人が現われ、ジャックが、「私は、捜査官フリヤーズ、こちらは捜査官マイクルズ、FBIから来ました。ヨヤ副保安官は在宅ですか?」と尋ねる。アリソンは、「まだ任務中です。無線で呼んでみては」と言い、ドアを閉めようとする。そうしながら、彼女は、なぜ疑ったのかは分からないが、玄関に置いてある熊スプレー〔熊に襲われた時に使う。成分は唐辛子〕を手に持つ。ジャックは、「周波数が違います」。「合わせれば?」。パトリック:「先に話したら、ここに来てくれと言われたので」。ジャック:「入っても構いませんか?」。アリソンは、「構うわ」と言うと、ドアを閉めようとするが、2人は無理矢理押し入ると、本性を剥き出しにする。アリソンは、床に投げ飛ばされ、拳銃を向けられ、手を上げるよう命じられる。そして、ジャックは鉄の棒を火の中に突っ込む。パトリックは、家の中を調べ、イーサンのいないことを確かめる。ジャックは、アリソンが妊娠6ヶ月であることを利用し、答えなければ、命はないと脅した上で、「ガキはここにいるか?」と訊く〔パトリックが、家の中を調べたのに、変な質問〕。「いない」。「ここに来たか?」。「いいえ」。「警察は、ガキを発見したのか?」。「私は、そうしたことは聞かされていない」。「だが、ここに来るんだろ?」。「知らないわ」。ジャックは、アリソンが本当のことを言っているか確かめるため、真っ赤に焼けた鉄の棒をパトリックに持たせ、アリソンの顔に近づけて脅す。アリソンは、「夫が見つけた!!」と嘘をつく(2枚目の写真)。「どこに連れてった?」。「知らない。話してくれなかった!!」。「なら、電話しろ!」。焼けた鉄の棒が遠ざけられ、「普段通りに話せ」と命じられる。アリソンは携帯を取ると、「イーサン、あなた、あの子はどんな具合?」と訊く(3枚目の写真)。さらに、「お腹空いてる? きっと空いてるわ。もしそうなら、何か作ってあげる」と話す。それを聞いていたジャックは、なぜか、「緊急危険信号だ。緊急警告しやがって!」〔この言葉がなぜSOSになるのか、観ていて納得できない〕と、アリソンの顔を殴る。暖炉の前に投げ飛ばされたアリソンは、熊スプレーの噴射口を暖炉に向けて持つ。それを見たジャックが、「向きが反対だぞ」と笑う。アリソンは、「違うわ」と言うなり、唐辛子を火に向けて噴射する。すると、それに火が引火し〔唐辛子が引火する? このことは、右の写真の「警官、唐辛子スプレーが可燃性だと気付く」という reddit.com の写真からあり得る現象だ〕、アリソンは、その火をジャックの顔に向けて吹き掛ける(4枚目の写真)〔ジャックは火傷を負う〕。混乱に乗じてアリソンは逃げ出す。

一方、ハンナとコナーが野原まで来ると、急に雷鳴が轟く。ハンナは、「状況は良くない。交代で走るの。『止まれ』と言ったら止まり、こんな風に屈む。そしたら、私が、あなたの先まで走る。それをくり返す。分かった? じゃあ、走って!」と言う。1枚目の写真は、雷が光った瞬間〔だから、夜なのに明るい〕。最初にコナーが走る。ハンナが「止まれ!」と叫び、コナーが草むらに伏せる。次にハンナが走り、止まって屈むと、「走れ!」と叫ぶ。コナーが走り始めた時に、数10m後ろに雷が落ちる(2枚目の写真)。「止まれ!」。次にハンナが走っている時、すぐ近くに雷が落ちる。心配してコナーが駆け付けると、幸い直撃は免れていた。しかし、ハンナも死んだかと思ったコナーのショックは大きく、ハンナが「行くわよ」と言っても、そのまま座り込み、「パパは、僕の目の前で死んだ」と言い(3枚目の写真)、事実を打ち明けた悲しみで、ハンナにもたれて泣き始める(4枚目の写真)。ハンナは、「吐き出すのよ、相棒」と、気持ちをぶちまけるよう促す〔後半の2枚も、雷が光った瞬間なので明るい〕

イーサンの家に残されたジャックは、足の傷に加えて火傷を負っているが、どうすることもできない〔いい気味〕。そこに、パトカーがやって来るのが見える。先ほど、アリソンが異様なことを話したので、殺人犯がいると確信したイーサンが、老保安官と一緒に駆け付けたのだ。危険性を全然認識していない老保安官は、着いてすぐに射殺される〔本当に役立たず〕。イーサンは、老保安官を撃ったパトリックに向かって銃を連射するが、背後にいるジャックを見落とし、背後からライフルで狙われ、「武器を捨てろ!」と命じられる(1枚目の写真)。こうなれば、従うしかないので、銃を捨て、帯革を外し、うつ伏せにさせられ、予備の銃も取られる。そして、「仲間がお前の妻と一緒にいる。俺が合図すれば、妻は殺される。お前は、もう父親になれないぞ」と脅される。そして、「お前の妻は、ガキはお前と一緒だと言った。それが事実なら、もっと大勢の警官がやって来たハズだ」と言う。イーサンは、「少年は、まだ見つかっていない」と正直に答える。「衝突の際、車から投げ出されたと考えている。捜査隊が朝出掛ける予定だったが、山火事で中止された」。ジャックは、「捜索は、お前と俺とでやる」と言い、パトリックがイーサンを掴んで起こす〔「仲間がお前の妻と一緒にいる。俺が合図すれば、妻は殺される」は、どうなるのだろう? 嘘だとバレるのでは? それとも、イーサンは、仲間がもう1人いると思っている?〕

ハンナは、焚き火の枝を集めながらコナーに話しかける。「あと数年も経てば、あなたは、家の近くの湖か、裏の森で、粋な金髪と一緒にいて、その機会を巧みに利用。キャンプファイアは、10代の女の子ならみんな好き。必要なのは、燃料と火と…」。ここで、集めた枝に火が点く。「じゃじゃーん! あなたは、チアリーダーとディープキス」。「雷に撃たれて、変になっちゃった」(1枚目の写真)。「私は、いつも変なの」。「悲しそうに見えるよ」。「そう見える?」。ここで、ハンナは、去年の失敗のことを話す。そして、「3人の男の子がいた。あなたくらいの年頃の。火に巻き込まれ、見てるしかなかった」と話す。それを聞いたコナーは、「僕は、母が癌で死ぬのを見たよ」と言う(2枚目の写真)。それを聞き、この子は自分より遥かに悲しい思いをしてきたと悟ったハンナは、「あなたのことを考えたら、自分を哀れんでなんていられない。気の毒ね」と、謝罪する(3枚目の写真)。優しいコナーは、「あなたこそ」と、ハンナに配慮する。「暖まりなさい、相棒」。「パパも、僕を相棒って呼んでた」。「ごめんなさい。もう相棒なんて呼ばないから」。「いいんだ。相棒って呼んでよ」。

転落したまま放置されている車まで下りて行き(1枚目の写真)、中を覗いたジャックは 「ガキが生きてるハズがない」と言い、イーサンも 「助かるなんてあり得ん。まして、ガキが」と同じ意見。ジャックは 「なら、簡単に見つかるハズだ。探せ」と命じる。3人は、懐中電灯を頼りに、草むらの中を探し始める。イーサンが渓流の岸辺にしゃがみ込んで懐中電灯を当てると、そこに運動靴の跡が残っている。これは拙いと、イーサンは懐中電灯を消し、立ち上がって、足でもみ消そうとするが、その態度が逆に注意を引き〔警官としてお粗末〕、コナーの足跡がパトリックに見つかってしまう(2枚目の写真、矢印)。イーサンは、追跡を命じられるが、自分の失策でこんなことになったので〔どうせ殺されることに変わりはない〕、断固拒否する。しかし、取り押さえられ、顔に銃を突き付けられ、「やらないなら妻を生きたまま焼き殺す」、と脅されると、情けないことに〔アリソンが逃げたことも確認せず〕、OKしてしまう〔この映画の中で、既に死んだ老保安官に次いでダメな人物〕

ハンナとコナーが歩いていると、正面の森が、夜の闇の中で赤く染まっている(1枚目の写真)。「山火事?」。「ええ。とても大きいわ。戻りましょう」。コナーは 「戻らない」と反対するが、「通り抜けるのは無理。すべてを燃やし尽くす」(2枚目の写真)「私は塔からこれを見てるハズ。なのに連絡しなかった。なぜだか調べるため、ヘリが送られる。ヘリはあっち。向こうは通れないから、あっちに行くしかない」。コナーは渋々戻ることに合意する。一方、家に戻ったアリソンは、特殊な器具で夫の位置を確かめると、銃を持ち、一番静かに追跡できる白馬を選び、夫を助けに向かう(3枚目の写真)〔口達者なだけで役立たずの夫より、よほど偉い〕〔3枚の写真は、いずれもかなり増感〕

塔に戻った2人。ハンナは、傷付いた足を消毒し、痛さに悲鳴を上げる〔落雷で怪我〕。塔の中は、電気がないので真っ暗なハズだが、コナーは本を見ながら、「大丈夫?」と訊く(1枚目の写真)。「ええ、最高よ」。ハンナが窓際まで行き、外を見ると、光の点が動くのが見える。ハンナは 身を屈めると、双眼鏡で覗き、イーサンと2人の男が歩いて来るのを確認する。そして、コナーにベッドから降りるよう指示し、口をきかずに、床を這わせて呼び寄せると、「お父さんを襲った奴らの顔見た?」と 小声で訊く。「うん」。ハンナは双眼鏡を渡してコナーに覗かせる(2枚目の写真)。コナーは、「あいつらだ」と即答する〔コナーが車から出た場所と、道路とはかなり離れていたので、残念ながら確認できたとは思えない〕。「ベッドの下に隠れて」。「ここには いられないよ」。「いいから、ベッドの下へ」。下では、パトリックが、「あそこには、何人いる?」とイーサンに訊く。「いつもは1人。だが、ここから見ると、誰もいないようだ」。ジャック:「誰かいる。山火事が起きてるのに、持ち場を離れる奴がいるか?」。パトリック:「監視人が武器を持ってる可能性は?」。イーサン:「ここはモンタナの森だ。可能性は高い」〔なぜ?〕。ジャック:「塔のてっぺんに、見つからずに接近はできない。そいつなら、塔の誰もが知ってるから、姿を見せるだろう。それを、ここから撃てばいい」。という訳で、イーサンが塔を登らされる。パトリック:「ガキがいたら、ここまで連れて来い。いなかったら、火を点けて焼き払え」。「なぜだ?」。「嘘じゃないと分かる」〔コナーがいても、いないことにして戻ってくるのを防ぐため〕〔3枚の写真は、いずれもかなり増感〕

塔の上まで登ったイーサンは、ドアが閉まっているので、「誰もいない。ドアに鍵がかかってる」と叫ぶ。「蹴り破ったドアは初めてじゃないだろ」。パトリックは、今いる場所からは、中の様子が全く見えないので、「高い場所に行かないと」と言い、木を登り始める。イーサンがドアをけ破ると、「もし、隠れているんなら、そのまま隠れてろ。ライフルが俺を狙ってる。2人いて、両方とも武装してる」と声をかける。すると、ハンナが隠れているのに気付く。イーサンは、小声で、「コナー、君はよくやった。動くんじゃない。いいな?」と言った後で、ハンナに 「武器はあるか?」と訊く。「かなり鋭い斧が」。「それじゃ戦えない。俺には、どうやったら、ここから出られるか分からん」。「約1時間でここまで火が来るわ。そしたら、出られる」。「1時間も待てない」。パトリックは、塔と同じ高さまで登り、ライフル銃スコープでイーサンの動きを監視する。すると、イーサンの唇が動いているのが見える(1枚目の写真)。「奴、しゃべってるぞ」。その瞬間、ライフルが連射される。イーサンは、ハンナに 「コナーをここから出せ!」と叫ぶ。ハンナは、イーサンが入ってきたドアから這って外に出ると、鉄柵にロープを固定し、イーサンが守っているコナーに(2枚目の写真)、「来て!」と柵の外から呼びかける。コナーは、柵を乗り越えて、待っていたハンナの胸に乗ると(3枚目の写真はメイキング映像(★印))、ハンナはそのままロープをあやつって可能な限りの速さで降下する(4枚目の写真、矢印)(5枚目の写真もメイキング映像(★印))。パトリックは、できるだけ早く木から下り、2人して追いかけようとするが、そこに1発の銃声がして、パトリックのすぐ横の木に命中する。2人は地面に伏せる。ジャックは、「あれは猟銃だ。俺が片付ける。お前はガキを追え」と命じる。そして、ジャックが援護射撃をし、その間にパトリックが射程から逃れる。その間に、かなり先に進んでいた2人の前に燃える木々が立ち塞がる。それでも、ハンナは 「そのまま」と、前進を促す。「火に向かって?」(6枚目の写真)。「そうよ、相棒」。

ジャックは、ライフルを連射しながら前進するが(1枚目の写真)、弾が切れた一瞬、立ち上がったアリソンが狙って撃った弾が当たり、倒れる。アリソンは、銃を装填し、銃口をジャックに向けたまま接近し、「夫はどこ?」と訊く。「塔」。「生きてる?」。「分からん」。その言葉で、アリソンは引き金を引くが、なぜか弾が出ない。それを見たジャックは、何とか起き上がってライフルに弾を込めるが、アリソンの方が一瞬早く 2発目をジャックに撃ち込む。再装填したアリソンは、ジャックの前まで行くと、止(とど)めを刺す(2枚目の写真)〔これで、殺人鬼の1人は、いなくなった〕

燃え盛る火にかなり近づいた所で、ハンナはコナーを呼び寄せる〔足が痛いので、いつも遅れがち〕。そして、「よく聞いて。火に向かって100ヤード〔90m〕走って」(1枚目の写真)「そしたら、左に曲がって、川に出るまで走り続けるの」(2枚目の写真)「川に着いたら、一番深くて広い所を探し、中に入って潜りなさい」と指示する。「分かった?」。「嫌だ。離れたくない」。ハンナは、その言葉を無視し、「100ヤード、左、川」と言い、さらに、「100ヤード、左。言って」と要求する。コナーは、仕方なく、「100ヤード、左」と言う。ハンナ:「100ヤード、左、川」。コナー:「100ヤード、左、川」。「そこに着いたら、どうするんだった?」。「潜る」。「どうするの?」。「潜る」。最後に 「行って」と2回命じられ、コナーは火に向かって走り出す(3枚目の写真)。一方、アリソンは、塔の上までイーサンを探しに行く。そして、銃に撃たれて動けずにいるイーサンを見つけると、撃たれた場所を調べ、かなりの重傷だと分かる。「良くないわ」というので、危険性が高いことが分かる。「やっつけたか?」。「一人は。もう一人がどこに行ったかは知らない」。「よくやった。今すぐ、ここから逃げろ」。「あなたから離れないわ」。「(お腹の)娘のためだ」。「もう、逃げられない」。そして、塔まで迫っている山火事が映る。

ハンナは、3人を失った1年前の悲劇を二度と繰り返すまいと決意し、背中からリュックを降ろし、斧を手に持つと(1枚目の写真、矢印)、リュックを遠くに投げ捨て、身軽になる。そして、懐中電灯を片手に追って来る悪人と対峙すべく、幹の後ろに身を隠す。パトリックは、地面に落ちているリュックに気付き、近くにいると警戒する。辺りには、灰が雪のように舞っていて異様な雰囲気だ。それにもかかわらず、パトリックは燃え盛る火に向かって歩いて行く。彼が、ハンナの隠れた木の前まで来た時、ハンナは斧で銃に襲いかかるが(2枚目の写真、矢印)、これは失敗。パトリックは、幹に向かって拳銃を乱射する。そして、木の周りを回りながら、ハンナを撃とうとし、また斧で攻撃され、今度は、ダメージを与えることができ、その隙にハンナは走って隣の木まで逃げる。パトリックは、装填し直すと、「おい、お前、ガキのために死にたいのか? 赤の他人だ。今すぐ立ち去るなら、撃たないでおいてやる」〔焼死させた3人は赤の他人だった。だから、この言葉はハンナにとって何の意味もない〕。パトリックが、ハンナのすぐそばまで来た時、コナーが姿を現わし、「おい、僕を探してるのか?」と堂々と言い(3枚目の写真)、パトリックは90度回転してコナーに銃を向けるが、その瞬間、ハンナの斧がパトリックの腕を襲う(4枚目の写真、矢印)。そして、2回目の斧攻撃。なかなかうまく当たらないどころか、逆に 殴られる。3回目の斧攻撃は、パトリックの左の靴に突き刺さり、ある程度のダメージを与えたと思われるが、決定打とならず、ハンナは、コナーに、「逃げて!」と叫ぶのがやっと。

頑強なパトリックは、ハンナを殴り倒す。パトリックは、倒れたハンナの襟を掴むと、引きずりながら、「コナー、隠れてるのか?!」と叫ぶ(1枚目の写真)。そして、「走って隠れてるとどうなるか、見せてやる」と言うと、引きずってきたハンナの上に立ち、顔を何度も殴る。「出てくれば、止める。隠れ続けるなら、こいつを傷め続けるぞ」。そして、また一発。ハンナ:「出て来ないで」。もう一発。そこで、コナーが訊く。「僕が出て行けば、その人を放す?」。「ダメだ。だが、こんなことはしない。楽に逝かせてやる」。勇敢なコナーは、死を覚悟して姿を現わす(2枚目の写真)。パトリックは、立ち上がると、「よし。逃げるな」と言うと、近づきながら、勇気に免じて 「後ろを向いてくれるか?」と丁寧に言う。コナーが背を向けると、泣いているコナーに向かってナイフを手に歩いて行く(3枚目の写真)。あと一歩というところで、何とか立ち上がったハンナが、斧でコナーの背中を叩き切る(4枚目の写真)。パトリックはナイフを振り回すが、斧の一撃による傷は重く、2発目を首に受けて動くことができなくなる。

瀕死のパトリックは 「殺せ」と頼むが、ハンナは 「火がやってくれる。苦しいわよ」と捨て台詞をぶつけると、コナーに 「走って」と指示する(1枚目の写真)。この山火事の場面は、2枚目の写真(★印)がオリジナル、3枚目の写真(★印)がCG合成後(共に、https://www.vfxvoice.com/ より)。火はすぐ近くまで迫っていて、パトリックはすぐに火に包まれる(4枚目の写真、矢印)。ここで、塔で、なぜか監視建屋の外に出たアリソンとイーサンが、ガスマスクをはめるシーンが挿入されるが、なぜ、火に曝される危険性に直面するのかはさっぱり分からない。この邪魔なシーンのあと、爆風のように突進してくる火の恐ろしさが映る。まるで火砕流だ。2人は渓流の手前の斜面を滑り降り、何とか間に合って水に飛び込む(5枚目の写真)。

ハンナは、「いいこと、よく聞いて。深呼吸し、息を止め、仰向けになるの」と教え(1・2枚目の写真)、2人は同時に水中に潜る。外では、辺り一面が炎の海だ。できるだけ息を長く止め、たまに水面から顔を出し、素早く息を吸う(3枚目の写真)。こんなことで、本当に助かるのだろうか? https://www.quora.com/ の中に、「プールに飛び込めば火事をやり過ごせますか?」という質問が掲載されていた。そこには、「消防局は、他に逃げ道がない時の最終選択肢でない限り、全会一致で反対しています。理由は、何度も顔を水面上に出す必要があり、露出した肌が焼けるような放射熱に曝されるからです。それに加えて、空気は非常に高温になり、煙で充満し、酸素がなくなるからです。それにもかかわらず、カリフォルニアの夫婦は、浮上した時に濡れた服で顔を覆うことで生き残ったと報告されています」と書かれている。ハンナとコナーは、濡れた布など持っていなかった。しかも、飛び込んだ渓流はプールより遥かに狭く、炎が水面まで届いている。興をそいで残念だが、実際には、生き残る可能性はゼロに近い。

1枚目の写真は、2人が飛び込んだ渓流のメイキング映像(★印)。翌日の早朝、ハンナは眠っていたコナーを起こす(2枚目の写真)。そして、渓流に沿って歩き始める(3枚目の写真)。

塔の上では、2人が全身に灰を被り、それでも焼け死なずに、手を取り合っている(1枚目の写真)。飛行機の音を聞いたアリソンは、マスクを外すと、鏡を使って生存者がいることを光で知らせる〔そのために、演出上、2人を外に出した?〕。さっそく、3人がパラシュートで落下して救援に向かう(2枚目の写真)。焼き尽された丘の斜面に着地した3人は、すぐに塔に向かって走り出す(3枚目の写真)。

そのうちの1人が、別の方角から歩いてくる2人に気付く(1枚目の写真、矢印)。それが、ハンナだと分かると、一番親しい男が救助に向かう。ハンナの所まで走ってきた男に、ハンナは、「私たち、目の前で見たのよ」と言う。「どんなだった?」。「美しかった」。それを聞いたコナーは、「美しくなんかなかった。ものすごく怖かった」と言う(2枚目の写真)。それを聞いた男は、「君、俺も ものすごく怖かったぞ」と賛同すると、「ケガしたな」とコナーの額を見る。そして、ハンナには、「一勝したな」と、1人助けたことを称える。塔に登って行った2人は、銃弾で破壊された室内を見て驚く。そして、茫然自失状態のアリソンを元気づける。気になる言葉は、もう一人の男が、イーサンを見て 「救急ヘリを呼ばないと」と言った時、アリソンが涙を流しながら、「急がなくていいわ」と言ったこと〔イーサンは死んだのだろうか?〕〔最後まで分からない〕 。ヘリが、イーサンを運んで行くのを見たコナーが 「僕たちのために、あれ戻ってくる?」と訊くと(3枚目の写真)、ハンナは 「そうよ、相棒、戻って来るわ」と答える。

2人は、ヘリで 火災対策本部まで運ばれる。ハンナは、すぐにスマホでマスコミ各社に電話をかけ、コナーのいる場所を教える〔どこで手に入れた? 塔では、あれほど 「連絡できない」と言っていたのに〕。一方、コナーは、しばらく何も食べていなかったので、森林消防パラシュート降下隊用の非常食を食べてみる。あまりに不味いので、連絡を終えて戻って来たハンナに、「こんなの食べるの?」と訊く。「1日3食」。「だから、そんなに痩せてるんだね」。「贅肉がないのよ、相棒」。コナーは、今後のことも心配になる。「次は、どうなるの?」。「あなたは、インタビューを受けるわ」。「ううん、その後だよ。明日や、来月」(1枚目の写真)「僕、どこに行くの?」。「分からないわ」。コナーが泣きそうになる(2枚目の写真)。それを見たハンナは、「でも、約束する… 一緒に解決策を見つけましょ」(3枚目の写真)〔未婚で40代半ばのハンナの養子になるのだろうか? それとも、叔父のイーサンが生きていて引き取る? あるいは、未亡人になった〕。そこに、次々とマスコミの車が到着する。これにより、父を無残に殺した元凶の政治家たちに、正義の鉄槌が下されるであろう。

2人は、ヘリで 火災対策本部まで運ばれる。ハンナは、すぐにスマホでマスコミ各社に電話をかけ、コナーのいる場所を教える〔どこで手に入れた? 〕。一方、コナーは、しばらく何も食べていなかったので、森林消防パラシュート降下隊用の非常食を食べている。あまりに不味いので、連絡を終えて戻って来たハンナに、「こんなの食べるの?」と訊いてみる。「1日3食」。「だから、そんなに痩せてるんだね」。「贅肉がないのよ、相棒」。コナーは、今後のことも心配になる。「次は、どうなるの?」。「あなたは、インタビューを受けるの」。「ううん、その後だよ。明日や、来月」(1枚目の写真)「僕、どこに行くの?」。「分からないわ」。コナーが泣きそうになる(2枚目の写真)。それを見たハンナは、「でも、約束する… 一緒に解決策を見つけましょ」(3枚目の写真)〔未婚で40代半ばのハンナの養子になる? それとも、叔父のイーサンが生きていて引き取る? あるいは、未亡人となったアリソンが、イーサンの遺児と一緒に育てる?〕。そこに、次々とマスコミの車が到着する。これにより、父を無残に殺した元凶の政治家たちに、正義の鉄槌が下されるであろう。

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